<知恵の泉>

HOW TO/第10回
成功させよう、全国大会 その2

社団法人 全国腎臓病協議会 副会長 栗原 紘隆

今年結成35周年を迎え、会員数10万人を超える全国腎臓病協議会(全腎協)の全国大会は、毎年千人以上の人が集まる大規模な大会です。全腎協では、結成直後頃から、各地で全国大会を開催することによって、都道府県組織を充実させ、地方の活性化を図ってきました。今回は、都道府県組織が主体となって開催される全腎協の全国大会をご紹介します。

地方の活性化をめざして、あえて各地で開催

35年前、第1回全国大会は参加者200人足らずで東京で開催しました。ちょうどこの頃は、会の役員たちが任期途中で亡くなってしまうという大変な時期で、一方で全腎協の結成が新聞などにも紹介され、注目され始めた頃でした。困難な中でも地方の組織づくりと活性化を図っていこうと、第4回からは各地での開催を行いました。その結果、多くの都道府県の患者会が次々と加入するようになり、全腎協は全国的な組織となったのです。

当初は、県民会館や産業会館を借り、自分たちで椅子や机を運ぶ「手作り」の大会でした。会員が増えるにつれ大会参加者も増えたことはよかったのですが、一方で会員は高齢化し、会場設営の負担が重くなってきました。そのため最近は、ホテルなど設備やサービスが整い、1500人程度収容できるホールと分科会のスペースがある会場が必要となり、そうした会場が確保できる地域ということで、首都圏、関西圏での開催が多くなっています。また、人工透析患者は移動や宿泊に関して時間的な制約が大きく、飛行機を利用する会員が多いので、空港からのアクセスのよさも開催地の条件です。大規模な会場は、1年以上前に予約する必要があるので、開催地は2年先まで決定しています。

大会当日は、地元の実行委員とボランティアが中心となって動きます。臨時透析を地元の医療機関に依頼、医師と看護師が待機する救護室の設置、お茶や水が飲めない人工透析患者用の大量の氷を用意することなど、透析患者ならではの準備が必要です。その他、千人以上の人が安心して参加するためには大勢のスタッフも必要となります。最近は、福祉関係の学生などボランティアに協力してもらうことが増えてきました。ボランティアの協力はこれからも欠かせないと思います。

開催後は、会報誌「ぜんじんきょう」に特集として掲載します。参加人数が多いと言っても、参加できるのは全会員の1%にすぎないので、全国大会の内容や様子を会員に知らせていくことは重要であると考えています。

全国大会の意義と、今後の課題

全腎協には35年の実績とノウハウがあり、全国大会は比較的スムーズに開催できていると思います。地方で開催することは都道府県組織の負担も大きいのですが、都道府県組織全体で取り組むことで、組織が強化され、新しいリーダーが生まれ、団結力が生まれます。全国大会を各地で開催してきたことで、都道府県の組織がまとまり、中央との交流や人材育成もできました。参加することを励みにしている会員も多く、全国から人が集まる中で新しい出会いや再会があり、それぞれに元気を得て帰っていくのも全国大会の意義であると思います。

今後の課題はメディアの活用です。全腎協は毎年3万5千人程、会員が増えていますが、その一方で2万5千人が亡くなります。高齢化も進んでいます。私たちは、これ以上腎臓病患者を増やしてはならないことや、高齢化する人工透析患者の実態や、直面している問題を社団法人としてもっと社会に訴えていかなければならないと考えています。そのために、全国大会にももっとマスメディアを活用して啓発活動を積極的に行い、いっそう意義のある全国大会としたいと考えています。

■全国腎臓病協議会(全腎協)
●会員数約10万6千人、全国46都道府県組織
●今年度全国大会 結成35周年・法人設立10周年記念大会
 5月21日開催(大阪市・大阪国際会議場)、参加者1948名

■全国大会開催のポイント
●25周年までは総会、法人設立後は、社団法人総会と大会として開催。
●開催都道府県組織では、実行委員を150名程度決め、実行委員会を中心に準備を進める。当日は、実行委員とボランティアがスタッフとして活動。
●宿泊交流会は都道府県組織が担当するなど、地元と中央の役割分担、費用分担を明確に決めている。
●次回開催地の都道府県組織役員も全国大会に参加し、ノウハウを学び、次回に生かす。
●会場では書籍販売や物産展、関係企業の紹介ブースなども設けられる。