<活動レポート>

2013年度地域学習会合同報告会

模擬講演や新プロジェクトも盛り込み地域の活動や今後の取り組みを討議する報告会を開催
7月27日・28日、ファイザー株式会社アポロ・ラーニングセンター(東京都)において、ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会(VHO-net)の地域学習会合同報告会が行われました。今回は、東北から沖縄までの全国8地域学習会の活動報告と今後の取り組みの討議に加え、新プロジェクトの進捗状況の報告、模擬講演も行われ、地域学習会の活動の幅が広がり、また新たな段階に進みつつあることが実感できる場となりました。

それぞれの活動や新プロジェクトの進捗状況を共有

まず、8つの各地域学習会が、この1年間の活動について発表。その後、それぞれの地域学習会ごとに今後の年間計画や活動の方針についてグループディスカッションを行い、その結果を発表しました。2004年に関西学習会の発足により始まった地域学習会の活動は全国に広がり、活動内容も多様化してきました。その中で、今回は「活動を見直す時期かもしれない」「新しい取り組みを考えたい」「新しい人材を活用したい」などの意見や提案があり、地域学習会の活動が新たな局面を迎えつつあることが感じられました。
次に、VHO-netの新プロジェクトの進捗状況の報告が行われました。まず、世話人の増田一世さん(やどかりの里)が、「(仮称)患者と医師のプロジェクト」について、医療関係者との連携による“信頼されるピアサポートプロジェクト”の活動がスタートしたと報告。このプロジェクトでは、各団体のピアサポート活動を整理し、社会資源として活用できるようにウェブサイトで公開することなどを目指しています。
続いて、「患者講師プロジェクト」について事務局の門脇浩希さん(ファイザー株式会社)が報告しました。このプロジェクトは、医療系大学などから各団体への講演依頼が増えていることを受け、VHO-netで各団体の活動を把握し、依頼があった際に事務局が窓口となり、速やかにコーデイネートしていく試みです。こちらはすでに、講演者や講演内容についての調査協力が始まっているとのことでした。

それぞれの活動や新プロジェクトの進捗状況を共有

合同報告会では初のプログラムとして、模擬講演の取り組みも行われました。まず、4人の演者が講演対象を看護学生や医学生と想定して模擬講演を実施。さらに、関西学習会でまとめた「講演のポイント」について、あすなろ会の三宅好子さんが発表しました。演者からは「聴衆が同じ立場の仲間であることから、皆さんの理解や共感が伝わってきて話しやすく、また感情を開放できる面もあった」との感想もあり、模擬講演が演者、参加者双方にとってのピアサポートの場になっていることも感じられました。「患者講師プロジェクト」も始まり、これからは各地域学習会でも模擬講演への取り組みが期待されます。

各地域学習会の活動報告と今後の取り組みから

沖縄学習会
ピアサポートの事例集作成も視野に入れて進めたい

■活動報告
2012年11月には「『共に』~ピアサポートの未来~」をテーマに拡大学習会を開催。団体の経歴や活動状況によってピアサポートへの取り組み方にも違いがあることが明らかになった。2013年3月には「ピアサポートの成功事例と失敗事例PART3」として、事例発表を行った。

■今後の計画
活動内容が少しマンネリ化しているのではないか、学習会のあり方を見直す時期ではないかと考えている。今後は「エンパワーメントしていない失敗事例」を取り上げ、上田幸彦さん(沖縄国際大学 教授)の協力を得ながら、事例集作成も視野に入れて進めていきたい。

九州学習会
経営者など他分野の リーダーに学ぶ学習会を実施

■活動報告
他分野のリーダーに学ぼうと、2012年6月には湯布院商工会の会長を招き学習会を実施。8月には「経営者の視点で見た患者会活動」をテーマに活動の停滞や後継者不足の問題、ネットワークの広げ方などを話し合った。2013年1月には「ピアサポートの未来」をテーマに話し合い、患者団体の活動はピアサポートになることを確認した。

■今後の計画
今まで単発的なテーマで学習会を開催してきた。得たものも大きかったが、そろそろ活動のあり方を見直しても良い時期かもしれない。今後、新たな人材の参加や内容を検討しながら、取り組んでいきたい。

四国学習会
まず地域の団体同士で理解を深めていきたい

■活動報告
2012年9月には徳島市で「ピアサポートの現状とこれから」と題して日本ハンチントン病ネットワークの中井伴子さんの講演と討論を行った。2013年5月には高知市で「ピアサポートの事例検討会」を実施。ピアサポートに対する関心度や知識にも大きな差があるという課題が明らかになった。

■今後の計画
他の地域に比べて患者団体の活動に関してまだ知識や経験が少なく、ネットワークも広がりにくいという課題がある。次回はまず地域の団体間で理解を深めることから始めたい。来年は地元の臨床心理士の協力も得て、ピアサポートの知識やスキルを学んでいきたい。

関西学習会
効果的な講演のポイントをまとめる

■活動報告
2012年9月には、竹の子の会による模擬講演を実施。11月には「患者団体活動に経営者視点を入れよう」をテーマに、くまもとぱれっとの陶山えつ子さんの講演などを実施。2013年1月には「効果的な講演のポイント集」について検討。4月には、ハンチントン病の患者会の模擬講演などを実施。6月には「乳がん検診の重要性」をテーマとする模擬講演を行った。会場確保が難しいなどの状況があり、運営委員の負担が大きいのが課題となっている。

■今後の計画
「来て良かった、また来たい」と思える場にして参加者を増やしていきたい。日程調整や会場確保、当日の準備など役割を分担して運営委員の負担も軽減していきたい。模擬講演については今後も積極的に取り組みたい。

東海学習会
講演を聞くだけでなく自ら参加する場を目指す

■活動報告
2012年10月には「VHO-netの10年間の歩み」をテーマにくまもとぱれっとの陶山えつ子さんの講演、「エンパワーメント」の話し合いを実施。2013年6月には、JPAの水谷幸司さんを講師に「難病対策の新制度」について勉強会を開催。時間の制約の中で、主体的に参加できる学習会にすることが課題。

■今後の計画
講演だけではなく、体験発表やワークショップ形式の内容も取り入れ、世代交代も視野に入れ、若い人たちも積極的に参加できるようにしたい。また、参加者のニーズを汲み取る仕組みをつくっていきたい。

北陸学習会
災害トレーニングにも取り組む

■活動報告
2012年11月には高岡市で、「『共に』~ピアサポートの未来~」をテーマに話し合いを実施。2013年7月には災害対応トレーニングをテーマに、渡邉純一さん(社会福祉法人 仙台市障害者福祉協会)の講演、また、全国パーキンソン病友の会の伊東正夫さんの新潟中越地震での体験談発表と、災害を想定したワークショップを行った。災害対策として、VHO-netでボランティア人材・情報バンクを設置し、各団体の記録と検証などを行ってはどうか、という提案があった。

■今後の計画
災害トレーニングの取り組みが好評であった。今後は、模擬発表にも取り組み、さらに発表力や発信力を高めていきたい。

関東学習会
エピソードの発表と全体討論のスタイルが定着

■活動報告
2012年9月には、全国膠原病友の会の『災害手帳』の紹介やピアサポートエピソードの発表を実施。2013年2月には引き続き団体の活動やピアサポートについて発表。6月には、荒尾みつ子さん(杏林大学医学部付属病院 心理カウンセラー)と松下年子さん(横浜市立大学 教授)が看護職の立場から患者団体とのかかわりを語る講演などを実施。毎回、発表と全体討論を行うスタイルが定着し、参加者も増え、充実した学習会となっている。

■今後の計画
ピアサポートエピソードとして発表された内容を、今後どのようにしていくかを考えていきたい。 

東北学習会
つながりを活動に活かしていきたい

■活動報告
2012年8月には「よりよいピアサポートのために」をテーマに事例報告や渡部純夫さん(東北福祉大学 教授)の講演を実施。12月にも引き続き事例報告と渡部さんの講演を行う。2013年6月には「もったいないVHO-netの活かし方」をテーマに団体の特徴や活動の成果を紹介し、助言し合う学習会を実施。

■今後の計画
未参加の団体リーダーにも働きかけ、地域のニーズを把握していきたい。身近なテーマに取り組み、東北学習会でつながることで、それぞれがもっと元気に、もっと良い活動ができるようにしていきたい。

北海道学習会

2013年に活動を再開。6月には7回目の学習会を開催し、現在の課題を出し合い、今後の活動について検討した。
(今回の報告会は欠席)