<元気の泉>

第12回
医療における密接な架け橋となり、トータルな視点で女性のための幅広い活動を行いたい

NPO法人 メノポーズを考える会 代表 三羽良枝

「メノポーズを考える会」を立ち上げたのは1996年、まだ更年期についての具体的な情報や身近な体験談、医療情報が非常に少ない頃でした。

会を発足させるきっかけの一つは、私自身の医療体験でした。約10年の間に4回の手術の施行。3回目までは満足のいく医療だったのですが、4回目の手術はたまたま検査で見つかった患部を取り除く簡単な手術であったはずが、病院内の連携不足などから、術後の投薬が間違われるなど入院中、困惑することがたび重なりました。それ以来「患者にとってよい医療とは何か」と考え続け、体験談や治療に関する情報の必要性を痛感したのです。

その後、自分が更年期世代になったとき、たまたま、当時では数少ない更年期外来の医師の講演を聞く機会に恵まれ、女性の体を総合的にとらえることに共感しました。私もその頃、手のこわばりやめまいがちなどで各科に通っており、早速、更年期について調べてみました。自分の不調は更年期世代の女性に比較的多くみられる症状と知り、女性自身の体についての知識が足りなかったことを反省しました。一人で勉強するより、専門医を招いて同世代の仲間たちと勉強会を開き、更年期症状で悩んでいる女性に的確で必要な情報を発信したいとの思いから「メノポーズを考える会」を立ち上げたのです。

発足から半年後、第1回目のセミナーを企画したときに、ある新聞で取り上げてくれ、驚いたことに、掲載日当日にもかかわらず、全国から申し込みが数多く届きました。「よく会を作ってくれた」、「今まで誰にも話せず悩んでいた」という切実な声を聞いて、改めて悩んでいる女性が多いということを知りました。更年期症状は、一つひとつは死に至る重篤な病ではありませんが、いくつもの症状を抱えることから、とてもつらく、しかも理解されにくいところが大きな問題となっています。

「メノポーズを考える会」では、主に更年期症状について電話相談などのサポートと啓発活動を行っており、更年期から生涯を通して元気で自立していくための健康作りの新しい形の女性活動だと考えています。何ものにもしばられない立場で女性として地に足のついた活動をしたい。告発型ではなく、女性自身も勉強し、医療従事者にも勉強してもらって、お互いに歩み寄る。製薬会社や行政にも理解して協力してもらう、そんな提案型の活動をしたいと考えています。

たとえば、1998年の日本更年期学会でメノポーズを考える会は電話相談で得た調査結果を元に、「更年期の女性にはうつ気分や不安感など精神的な症状を持つ人が多い」と発表し、その後、更年期症状の一つとしてうつ症状がかなり注目されるようになりました。20世紀の医療は、医療機関に与えられる医療をそのまま受け入れて「消費」する医療でしたが、これからは、医療機関が連携して総合医療を実現し、患者会などとも連携して受診者側の視点を取り入れた医療を「生産」すること、さらに次の世代への「投資」の医療になるべきでしょう。そのためにメノポーズを考える会は、受診者である女性と医療との、より密接な架け橋になりたいと考えています。

会を運営していく上で課題はいろいろとありますが、私の座右の銘は「逃げないこと」と、「最善を尽くした後は、なるようになる」とプラス志向で考えること。多くの方の理解を得て、女性ボランティアスタッフの仲間たちみんなで活動しているという思いが私を支えています。

今後は、更年期世代の女性の健康作りのサポートと啓発を基本に、さらに女性のためのもっと幅広い活動をしていきたいと考えています。そして魅力的な大人の女性を育て、女性の健康作りを通して、後に続く若い女性たちに自らの体の仕組みを知り、年を重ねていくことの素晴らしさをもっと知ってほしい。「若ければいい」という今の土壌を変えることも目指して、トータルな視点で女性のための活動に取り組んでいきたいと思います。

■電話相談/毎週火・木、10時半〜16時半 TEL.03-3351-8001