<活動レポート>

今年一年の活動をより実りあるものとするために
各地域学習会の新年度企画を検討し、承認する合同報告会開催

2015年1月24日・25日、ファイザー株式会社のアポロ・ラーニングセンターで、ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会(以下、VHO-net)地域学習会合同報告会が開催されました。今まで合同報告会は夏に開かれていましたが、年度始めに各地の動きを知り、お互いの活動に活かしていくために、1月の開催となりました。この場で各地域学習会の日程や企画を決定し、情報や認識を共有することで、世話人や運営委員の負担を軽減するだけでなく、一年間の活動をスムーズに進め、よりいっそう実りあるものにしようとすることが目的です。

1日目 各地域学習会の活動報告、企画発表と承認

まず、東北から沖縄まで、8地域学習会の運営委員が、2014年度の活動の報告と2015年度の企画書の発表を行いました。その後、各地域に分かれ、中央・地域世話人も加わって、2015年度の企画を検討し、承認を行いました。検討する中で、「できるだけ公共施設等を利用するなどして予算を有効に使う」「参加しやすくなる工夫をする」「講師を招くより自分たちで教え合おう」などの方向性が確認されました。

2日目 模擬講演とグループ討議、全体討論

お互いの体験を共有し、団体や地域学習会の活動に活かす目的で、模擬講演とグループ討議、全体討論を実施。模擬講演の評価者として臨むのではなく、自分自身はどうだったか、体験に引きつけて考えていこうという趣旨のもとに活発な意見交換が行われました。

模擬講演 対象となる聴講者を想定して、2人が模擬講演を行う

多くの地域学習会で体験発表や模擬講演の取り組みが行われていることから、体験を共有して、今後の地域学習会の活動にも役立てようと2人による模擬講演が行われました。講演後のグループ討議では、「演者と同じように、病気になり、患者団体のリーダーとして模索しながら活動している自分の歩みや、今の心持ちを点検し、気づく機会になった」「自分の体験を語るという責任の重みを改めて確認した」など、2人の発表と自分の体験を照らし合わせた意見や、当事者として、団体のリーダーとしての思いなどが多く語られ、話す側にも聞く側にも有意義なプログラムとなったようです。

医療者に患者とのかかわり方を問いかける

福島県難病団体連絡協議会 副会長 渡邊 善広 さん

渡邊さんは、「ピアサポートとリハビリ〜私の闘病体験」をテーマに、理学療法士などの医療従事者を対象に想定した講演を実施。自ら難病患者となり、当事者の気持ちがわかるようになったことや、患者団体や難病連、JPA、VHO-netと活動が広がり、病気が縁で多様な立場の人と知り合うことができ、ともに垣根なく活動できたことは素晴らしいと語りました。そして他者の気持ちや心の痛みが理解できるようになり、少しずつ人の役に立てるようになったと述べ、当事者と医療者のより良い関係づくりに何が必要かを考えてほしいとまとめました。

あるがままの自分を伝える

日本オストミー協会 横浜市支部 企画・渉外担当 山根 則子 さん

山根さんは、講演対象を一般の方と想定し、自分と家族の病気、オストメイト(人工肛門)についてまず語りました。その後、患者団体に参加することでたくさんの出会いや経験があり、元気づけられ、オストメイトとして生きる知恵をつけたこと、VHO-netに参加して団体や自分のことを客観的に見ることができるようになり、勇気と自信を得たことなどを述べました。そして、障がい者と呼ばれる側になっても「私は私」、あるがままでいいんだと思えるようになったことや、病気や障がいがある人もない人もお互いに理解し合い、支え合える社会にしたいという思いを伝えました。

地域学習会の2014年度報告と2015年度の企画発表

東北学習会
体験を通じ、ともに活動できることを探す

2014年度は、疾病・障がいを抱えた自分たちが生活しやすい社会を目指すことを活動目的として、障害年金などの社会資源について、体験に基づいて学習し、体験発表を行った。2015年度は、個人の体験だけではなく、社会や行政とのかかわりなどについても体験発表を行い、ともに何ができるかを考えたい。学習だけにとどまらず、疾病・障がいを抱えた自分たちをも含めた東北の地域社会が生活しやすい場所になることを目指して、このネットワークを活かしていきたい。

関東学習会
模擬講演と相談事例の検討をテーマに

2014年度は対象となる聴講者を想定した模擬講演を行う学習会と、ピアサポートの背景要因を探ることを目的にした学習会を開催した。2015年度も同様に、模擬講演では、聴講者を想定し、学校や医療施設など依頼主の期待に応える内容の講演ができるようになることを目指す。相談事例を取り上げての学習会では、相談してきた方の背景要因を深く考える取り組みを行いたい。多面的に“困りごと”をとらえ、相談してきた人を受け止める視点を多様にしていきたい。

北陸学習会
模擬講演で伝える力を身につける

2014年度は「伝える力をつける〜社会に信頼されるヘルスケア関連団体となるために」をテーマに模擬講演を行った。自分の言葉での有意義な発言が多く、今年度も参加者全体の表現スキルを磨くことを目標に模擬講演を行うこととする。前回の反省点をふまえて回数を重ね、それぞれが発表を経験することで、お互いに理解し合い、発信力を身につける。さらに、社会の信頼を得る患者団体として成長し、社会資源としての患者団体になることを目指す。

東海学習会
体験発表で、お互いの理解を深める

2014年度は地域学習会の意義について考え、顔の見える交流、主体性をもって参加できる学習会を目指そうと話し合った。2015年度は「疾患と活動を紹介する発表」を行い、参加者同士でフィードバックをする予定。お互いを知り、つながりを深め、交流の広がりや深まりを期待するとともに、グループワークを通しての「気づき、学び」が振り返りやスキルアップにつながることも期待する。発表を繰り返すことにより、お互いの理解を深めていきたい。

関西学習会
講演のチェックリストや講師派遣リスト作成へ

2014年度は、医療従事者への啓発を目的とする人材の育成を目指して、模擬講演の体験と「講演のポイント」の作成を行ってきた。今後も医療従事者・福祉関係者や学生に対し、患者の実態や困難、思いをより深く伝えることができる講師の育成、講演先を探すためのツールを作成する。「講演のポイント」から生まれた、講演のチェックリストの提案や、講師派遣リストについて持ち寄った意見をまとめて具体的な形とする。また、次の運営委員を育てていく取り組みも行いたい。

四国学習会
各患者団体の活動や課題の発表を予定

2014年度は、ピアサポートと模擬講演の実践を行った。2015年度も引き続き、ピアサポートのスキルアップと模擬講演を行い、経験を積むとともに、お互いの団体や病気を理解する取り組みを続けていきたい。ピアサポートのスキルアップでは、各団体の相談活動に活かすことと、専門職との連携を目指したい。模擬講演では、各自の振り返りとなることに加えて、発表そのものを体験することで、積極性が生まれ、活動に対する自信へとつながることを期待する。

九州学習会
エピソードの発表と全体討論のスタイルが定着

昨年度は、運営委員会で今後の学習会のあり方を見直す取り組みを行った。今後、改めて年間の活動目的、各団体の活動内容と課題を整理し、新たなテーマを見出していこうと考えている。学習会では、団体の活動発表を行い、それぞれの団体の活動内容や課題を聞いて共通課題を検討するとともに、良いところをそれぞれの団体の活動に活かすことも期待したい。学習会の運営では、多くの人に進行役などを経験してもらうことで、リーダー育成も行いたい。

沖縄学習会
ピアサポートの事例集作成に取り組む

2014年度に取り組んだピアサポートの事例集に掲載する事例の検討を、2015年度も引き続き行いたい。また、ピアサポートに関する用語集作成のため、用語を抽出し、その解説を沖縄国際大学の上田幸彦教授に依頼する予定。作成する過程で、相談者が陥りやすいことやポイントを改めて確認することで、より良いピアサポートを把握し、実践するために役立てていきたい。また、この事例集が初めてピアサポートを行う人や経験の少ない人に役立つものになることを目指したい。